「寝つきが悪い」「夜中や早朝に目が覚める」「ぐっすり寝た気がしない」――こうした睡眠トラブルのために、日常生活に支障をきたす状態になり、しかもそれが慢性的に続くようなら、それは不眠症かもしれません。しかし、睡眠時間は個人差が大きいため、8時間以上眠っているにもかかわらず「眠れない」と感じる方がいる一方で、短時間の睡眠でも平気な方もいます。そのため、何時間眠っていようと、本人が安眠・快眠できないと自覚する状態が続けば、「不眠症」と診断されます。
不眠症は特定の人だけが罹るような珍しい疾患ではなく、誰もがなりえます。また、うつ病など他の精神疾患の症状の一つとして不眠症が現れてくるケースも少なくありません。慢性的な不眠症では、その3分の1から半数は、何らかの精神疾患を併せ持っていると言われます。したがって、ただ単に睡眠薬で不眠を解決するだけでなく、根本的な原因が無いかを確認することも重要になります。
不眠症は、下表のように入眠障害・中途覚醒・熟眠障害・早朝覚醒の4つに分けられますが睡眠リズムそのものの乱れにより、様々な睡眠の問題が重複して現れることもあります。
主な要因は、下表の通りです。
不眠症は、その原因により治療法も変わってきますが、生活習慣の改善と薬物療法が中心になります。
不眠の原因である精神疾患、身体疾患の治療、不適切な睡眠環境などの改善に取り組むことが大切です。
豊島区 巣鴨の心療内科 精神科
医療法人社団櫻和会櫻和メンタルクリニック 院長 山野 かおる
(日本精神神経学会認定精神科専門医/精神保健指定医/日本医師会認定産業医)
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